トールサイズ

かわいい子と話をした。その子はすきなひとがいるのだと、恥ずかしそうに、でもうれしそうに話している。それを見て、わたしまで照れてしまう。


勢いって大切だから、わたしは勢いで、すきなひとのタイプと、わたしと身長が同じくらいであることと、もうすぐいなくなってしまうかもしれないことと、今度のイベントには来ないことを話した。すきなひとのタイプを話した時には、「シャツワンピ似合いそう!」とにこにこして言ってくれた。そういうところがかわいい。

かわいい子は、すきなひとが自分を下の名前で呼んでくれること、とってもやさしいこと、自分と身長がそんなにかわらないからデートのときにヒールが履けないこと、などを話してくれた。かわいい子は、わたしと同じくらいの身長だ。わたしよりかわいい子のほうが、すこしだけ、低い。


身長ってむずかしい。

わたしは同年代の同性のなかでは高いほうで、それのおかげで「スタイルがいい」「モデルみたい」なんて言葉をもらうこともあったけれど、今回ばかりはこの身長がうらめしい。相手にとって、「ちいさくてかわいいおんなのこ」じゃないから。
わたしよりずっと小さな女の子は身長がほしいと言うけれど、わたしだってあげたい。すきなひとと並んだ時、目線が近いことはうれしいけど、それ以上に、いやだな、が勝ってしまう。
そりゃあ背が高いと、それだけでスタイルいいねなんて言ってもらえるし、服もそんなにえらばないし、高いところのものも取れるけれど。でも、ひととならんだ時に、目立つ。ヒールなんて履けないから、あの3回くらいしか履いてないお気に入りのブーツは、靴箱のいちばん取りにくいところでいまもじっと出番を待っている。


「このあいだ出かけたんだけど、その時もいちばん低いヒール選んで履いていったの。かかとが低い靴買わなきゃかなあ」とかわいい子は言っていた。わたしはもう、ヒールのくつを見ようと思わなくなってきた。長所ではあるけれど、それでも、気になるものは気になる。とくに、すきなひとのまえでは。

明日はハーフアップで行こう。