やわらか

ひらがながすきだ。

わたしの家族の名前は、男性は漢字、女性はひらがなの名前だ。
これはなにか明確な意味があるのかと思ったら分けたことに特に意味はないらしい。画数と、呼んだ時の音の響きで決められた。○○ちゃんって呼んだらかわいいなと思って、と言われた。


わたしは自分を呼ぶ時、ひらがなで「わたし」と呼んでいる。口に出す時でも。それから、好きは「すき」と言って、人は「ひと」と言っている。殺す、とかも、なるべくできるだけ言わないように心がけているけど「ころす」と言っている。「しぬ」とか。

特にルールはない。こうやって文章を書いているときでも、この文字はひらがなのほうがいいなと思ったら変換しない。なんとなく。でも別に漢字がきらいなわけじゃない。書きにくいから手書きで書くときはきらいだけど。漢字に込められた、人や水やなにやらで作られたなりたちを知るのはとても楽しいことである。


ひらがなっていうのは意味を限定しない。つくる。作る。造る。創る。かく。書く。描く。おんなのこおとこのこ、女のひと男のひと。
あと、やわらかい感じもする。角ばってないからか、ぐにゃぐにゃして刺せそうにない感じ。


ひらがな、いいよ。たくさん使おう。


ていうか、早く寝よう。ねむれない。

そう

恋と呼ぶにはあまりに穏やかだった、という文を読んで、そうだよな、恋は穏やかじゃないのよね、という気持ちになった。恋って、ねえ。それほど恋の経験がないわたしでもわかるもの。

椎名林檎さんの曲がすきでよく聞く。けれど詳しくはない。わたしは音楽をよく聞くし音楽をあいしているけれど、それは決して詳しいと比例しない。

椎名林檎さんがこのあいだインタビューで、なんだっけ、どんな質問かは忘れたけれど。たしか、どんな気持ちで曲をつくっているんですか、とかそういう質問。
「すきなひとがこの女優さんかわいいねって言ったら、なによブス!って思ったり、いままでにないくらいの暴力的なきもちになったり」そういうブスにむけてつくっています、と言っていた。

そう!と思った。まさに、そう。さとうもかの曲中にある「恋をすると人間になっちゃう」という歌詞もだいたい同じような意味合いなんだと思うけど、そうなのだ。わたしは恋のせいで、すきなひとも、きらいなひとも、すきだったのにきらいになってしまったひともできた。できてしまった。

恋は害悪ですよ、ということばを思い出す。

うろおぼえ会話記録 . 9月

(0915)

塩田さんはめちゃくちゃ童顔なんだけど、最近ひげを生やし始めたから、理由を聞いたら「ワイルドになろうかと思って」とか言うから「ないほうがいいんじゃないですか」って言った。


店員さんがダンディな感じの居酒屋の前を通った塩田さんとわたし
「ああいう感じになりたい」
「ワイルドはもういいんですか?前ワイルドになりたいって言ってたのに」
「ああワイルドね〜なんか大人化計画全然進まないんだけどさあ」
「大人化計画っていうネーミングセンスが全然ワイルドじゃないです」


「こないだ○○くんに会った時におれメガネしてたんだけど 伊達で すぐばれたからサングラスとかしたほうがいいかな」
「いや…どうかな…てかメガネしてたんですか、どんな?」
「丸いやつ」
「ダンディもワイルドもないですね」


「パーマかけたい」
「かけたらいいじゃないですか」
「でもおれ前かけた時に妹に「ちびまるこちゃんのお母さんみたい」って言われたから…」
「妹辛辣だな〜」


「このよなよなエールってビールがおいしいらしくて」
「おれビール苦手なんだけど飲めるかな」
「え、飲み会の時とか何飲むんですか」
「梅酒」
「へえ」
「あとカクテルとか、果実酒?みたいなの」
「女子大生か」


「記憶力がアップするガムだって!買おうかな」
「中高年向けって書いてありますけど」
「話の種にね、ほらこれ、「何をしようとしていたか忘れる」とかこないだのおれじゃん」
「ウワッそれある…わかる…」


めちゃくちゃ嫌なことがあって唸ってたら、こないだ話した時にわたしが「楽しいことだけ考えてください!」って言ったのを覚えてくれてたのか、
「楽しいこと考えて!ほら!三連休だよ!三連休なにする?」って言われてがんばって楽しいことだけ考えたんだけど、ずるい



(0919)

外に出た時とおくに塩田さんがいて 髪型が全然違くてわたし全然気付かなかったんだけど友達に言われて「え〜〜!?髪の毛がない!」って言いながら近づいたら「確実におれって気付いてなかったでしょ!朝も会ったんだけど!」と文句を言われた



(0925?)

「口の感覚がない」
「なんでですか」
「麻酔きいてるから」
「麻酔?」
「親知らず抜いたから」
「え…きのうとかに?」
「さっき」
「そんな抜きたてでしかも麻酔きれてないのに来たんですか!?ていうかさっき!?」
「なんか炎症起こってて抜いたほうがいいですって言われたからじゃあって」
「ヤバ…」


「めちゃくちゃ腫れて片方のかおが四角くなりますよ」
「え、え〜…やばいじゃん…」
「えっ、ていうかなにその…行動力…そんな軽率に抜いていいもんじゃなくないですか…」


わたしが散々「痛くなってめっちゃ腫れてやばい色になります」と脅していたからか、次の日「ねえ腫れてる?色大丈夫これ?」ってわたしに見せにきたんだけど、距離が近くて距離感バカか!って叫ぶとこだった



(0926)

塩田さん、めちゃくちゃみけんにシワがよりやすくて「またシワよってます」ってわたしたまに言うんだけど、こないだ「わたしの話聞いてる時だいたいシワ寄ってますよ」って言ったら 「真剣に聞いてるんだよ」ってシワをよらせてた



(0928)

べつのひとに頼まれてたことをわすれた塩田さんに「あのガムたべました?」って聞いたら「まだ食べてない…話のタネにしかなってない…」と言うので「たべてないから忘れるんじゃないですかね」って言ったら「そうかも」って笑ってた


「今日さ、朝にやってって言われてたこと忘れてて、気付いたのお昼なんだよね。あっ、て」
「それあやまったんですか」
「あやまってない」



(0929)

「今日超つかれた」
「会うたびつかれたって言ってますよ」
「いやほんとにつかれた 庭行ってあと練習してバレーやったの」
「それ昨日も言ってました」
「え、そうなの?ていうか今週つかれた」
「先週も今週疲れたって言ってましたけど…つかれすぎじゃないですか…」
「まじか〜やばいな〜」


おとといに

「書類まだ書いてないんだよね、やばいな」
「あさって期限なのに」
「いや大丈夫、消印有効だし、明日休みだし、明日本気出す」

って言ってたのに、2日後

「ねえ聞いて、書類、まだ書いてない」
「…明日本気出すっておととい言ってましたけどきのうは?」
「寝ちゃった」
「受ける気ないですね?」

とかいう会話をする事態


「そもそも全然勉強してないし、受けなくてもいい気がしてきた あのひとには無理でした〜って言えば…」
「それダメなひとの考え方です」

トールサイズ

かわいい子と話をした。その子はすきなひとがいるのだと、恥ずかしそうに、でもうれしそうに話している。それを見て、わたしまで照れてしまう。


勢いって大切だから、わたしは勢いで、すきなひとのタイプと、わたしと身長が同じくらいであることと、もうすぐいなくなってしまうかもしれないことと、今度のイベントには来ないことを話した。すきなひとのタイプを話した時には、「シャツワンピ似合いそう!」とにこにこして言ってくれた。そういうところがかわいい。

かわいい子は、すきなひとが自分を下の名前で呼んでくれること、とってもやさしいこと、自分と身長がそんなにかわらないからデートのときにヒールが履けないこと、などを話してくれた。かわいい子は、わたしと同じくらいの身長だ。わたしよりかわいい子のほうが、すこしだけ、低い。


身長ってむずかしい。

わたしは同年代の同性のなかでは高いほうで、それのおかげで「スタイルがいい」「モデルみたい」なんて言葉をもらうこともあったけれど、今回ばかりはこの身長がうらめしい。相手にとって、「ちいさくてかわいいおんなのこ」じゃないから。
わたしよりずっと小さな女の子は身長がほしいと言うけれど、わたしだってあげたい。すきなひとと並んだ時、目線が近いことはうれしいけど、それ以上に、いやだな、が勝ってしまう。
そりゃあ背が高いと、それだけでスタイルいいねなんて言ってもらえるし、服もそんなにえらばないし、高いところのものも取れるけれど。でも、ひととならんだ時に、目立つ。ヒールなんて履けないから、あの3回くらいしか履いてないお気に入りのブーツは、靴箱のいちばん取りにくいところでいまもじっと出番を待っている。


「このあいだ出かけたんだけど、その時もいちばん低いヒール選んで履いていったの。かかとが低い靴買わなきゃかなあ」とかわいい子は言っていた。わたしはもう、ヒールのくつを見ようと思わなくなってきた。長所ではあるけれど、それでも、気になるものは気になる。とくに、すきなひとのまえでは。

明日はハーフアップで行こう。

そしてくよくよは続く

「天竺に行っても、くよくよは続きます」
伊坂幸太郎のファンなのだけど、SOSの猿は読んでいない。でも、このセリフが出てくると聞いて、ああいますぐ読みたい!と思った。


今日はだめだった。だめだったって、すきなひとに会えて話せたことや運動が楽しかったこと、はいいことだったのだけど、帰り道がだめだった。
なんともいやな気持ちになって、帰り道の自転車でずっと唇を噛み締めていた。だいぶ視界がぼやけていたから、事故にあわなくてよかった。
なにがいやなのかわからなくなって、いまいやだと思っていることをぜんぶ書き出したら、少しすっきりした。
すっきりした、と思っていたら、さっききょうだいにきつくあたられて、いやきつくあたられるのは珍しいことではないのだけど、書き出した嫌なことを思い出して、どっかの糸がふっと切られたみたいにぶわわと顔が赤くなり、目がまっかになった。鏡の前で、歯磨きをしている時だったから、わたしはわたしがなきそうになっている様をじっと見つめていて、「ぶっさ」と笑った。いつもよりも余計にぶさいくな笑いだった。


ほんとうに、すきってめんどくさい。わたしがなんであんまりすきなひとができないかって、ほかにも理由はあるけれど、いちばんは「すきになるとめんどくさい」っていう、そういう、ばかみたいな理由からだ。すきなひとができて(しまって)、しばらく離れていたその「すきがめんどくさい」がまた、わっ、とわたしをつかまえるようになってしまって、わたしはそれを躱せない。感情が重くて動けない。また、ぶさいくになってしまう。
それから、わたしがこれから進む道のこと、わたしの顔のこと、やらなくちゃいけないこと、もうすぐ来たる試験、なんてものがわたしを抱きかかえている。絶体絶命だ。なんてったってさっき「わたしが生きてる意味ないな」ってすごく冷静に思ってしまった。し、今でも思っている。こういうときははやくはやく眠ってしまわないと余計に泥沼になることは経験上わかっているのだけどどうもそういうわけにいかない。
くよくよ、じゃないかな。うだうだ、もやもや、ああなんて日本語は擬音が多いんだろう!ぴったりの言葉を探すのに苦労するじゃないか!


なんなら、9時くらいにはもう眠ってしまったほうがいいのかもしれない。これでこわい夢でも見てしまったらどうしよう。服、片付けるの面倒くさいな。書類も書かなくちゃ。あ、ほら2時すぎてるし。あーーー、すきなひとに、だきしめてもらいたい。大丈夫だって言ってほしい。
あー、むなしい。

耳鳴り

なんかすこし、怖い感じだったので書いておく。

ついさっき、耳鳴りがきこえた。ずっとスマホを見ながら横になっていて、やめて、立って、薬を取って、座って、足に塗布しているところだった。

いきなり、ぶおん、ぶぅん、というような、飛行機が飛んでる時みたいな音が、たぶん左耳だけに聞こえた。窓(あけていて、外の音が聞こえる状態だった)から聞こえているのかと思ったけど、頭の方向を変えても同じように聞こえたから、耳鳴りだってわかった。15秒とかそれくらい。

もしかして聞こえなくなっちゃうかも、とおもって、やんだあとに声を出して、聞こえるか確認したけど普通に聞こえた。ただ、左耳がぼんやりしている感じ。

 

難聴になっちゃったらどうしよう。お気に入りの歌を聴くことも声をきくこともできなくなっちゃったらどうしよう。どうか、難聴とかでも、それかほかの、脳震盪とかでも、とにかく病気じゃありませんように。疲労が溜まっただけの、一時的なものでありますように。

どうかお願いします。